天然繊維には、大きく分けて植物繊維と動物繊維があります。いずれも長い間、私たちの体を暑さ寒さなどから守ってきた繊維です。
植物繊維の種類
綿(コットン)
5000年以上も前から用いられている身近な繊維です。原料となるアオイ科に属する綿は、世界60カ国以上で栽培されています。吸水性があり、肌触りが良いため、下着などからだに近いところに身につけるものに使われています。縮みやシワには弱いですが、熱には強くて丈夫です。
麻(リネン)
麻は、人類が用いた最も古い繊維とされています。植物から繊維を採取して作られたもので、約20の種類があります。通気性や水分の発散性があるため、夏の衣料として愛用されてきました。シワになりやすく摩擦によって毛羽立ちが起こりやすいのが特徴ですが、独特のシャリ感やごわごわした感じが魅力でもあります。
動物繊維の種類
シルク(絹)
蚕の繭から作る繊維で、天然繊維の中で最も細く、美しい光沢やドレープ性を生みだします。人間の肌と親和性がよく、吸汗、速乾、通気、清涼、保温性を全て備えています。弱点としては、シミになりやすい、水分に弱い等があげられます。
羊毛(ウール)
世界全域で家畜として飼育されている羊。その羊からつくられる羊毛(ウール)は、保温性と収縮性に富み、冬物の衣類として私たちを寒さから守ってくれます。水分をはじき湿気を吸収します。毛玉ができたり虫が付きやすい性質があるため、取り扱いには注意が必要です。
その他、アルパカ、アンゴラ、カシミヤ、モヘア等があります。